「芸術」と「興行」

  • 2018.03.09 Friday
  • 10:00

 

 

前回予告したとおり、今回は「芸術」と「興行」の在留資格(以下、「芸術ビザ」と「興行ビザ」)についてお話します。

 

芸術ビザ」は、前回も触れたとおり、

収入を伴う音楽,美術,文学その他の芸術上の活動(在留資格「興行」に係るものを除く。)

とされています。

 

一方、「興行ビザ」は、ざっと以下のような活動をする場合が該当してきます。

(もっと細かく分かれていますが、簡単にいうと以下のような活動です)

(1)演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏の興行に係る活動を行おうとする場合

(2)上記以外の興行(スポーツなど)に係る活動を行おうとする場合

(3)次のいずれかの芸能活動を行おうとする場合

商品又は事業の宣伝に係る活動

・放送番組(有線放送番組を含む。)又は映画の製作に係る活動

・商業用写真の撮影に係る活動

・商業用のレコード、ビデオテープその他の記録媒体に録音又は録画を行う活動

 

ここで疑問です。

そもそも(1)や(2)にある“興行に係る活動”って何?

一般的には、

「ひとつの会場に大衆を観客として集め、観客から入場料等の料金を取って、演劇や恩局、映像等の娯楽を提供する行為、あるいはその内容自体」

とされています。

 

具体的には、コンサート公演、オペラ公演、プロ野球選手やプロボクサー等の活動も“興行”に該当します。

 

また、(3)にある“芸能活動”ですが、

これは、コンサートやテレビ出演、映画の撮影(ロケ)や舞台挨拶、CDの録音やジャケット写真の撮影、写真集の撮影…等々芸能活動でおよそ考えうるほとんどの活動が該当してきます。

 

 

さて、問題です。

これらの活動を行う人が、ワークショップや講演会等で、誰かに教えることを目的として来日する場合は、「興行ビザ」か「芸術ビザか」のどちらでしょうか?

 

先に述べたように、「興行ビザ」は“興行に係る活動”を行うものです。つまり、“ショービジネス”です。

よって、ワークショップや講義・講演等の活動は、「興行ビザ」ではなく「芸術ビザ」に該当すると解されるのが一般的です。

 

ところが、この二つのビザの場合、

例えば、ベリーダンサーがショーに出演する。けれど別の日には、ベリーダンス教室で講師を務める、といった具合に、

同じ人物が、活動する内容によって、「芸術」であったり「興行」であったり、場合によっては両方の活動を1回の来日中に行うことも十分にあり得ます。

 

しかし困ったことに、在留資格は2種類を同時に持つことはできません。

では、どうすれば??

 

こんな時に登場するのが「資格外活動許可」です。

これは、例えば「留学ビザ」や「家族滞在ビザ」の学生がアルバイトをするときなどに使われることが多いのですが、

持っている在留資格の活動“以外”の活動を行う場合に、申請することができます。

 

上記のようなベリーダンサーのケースの場合、

来日中のどちらの活動がメインなのかにもよりますが、

「芸術ビザ」の資格で来日し、「興行」の資格外活動許可を取得するか、

「興行ビザ」の資格で来日し、「芸術」の資格外活動許可を取得するか、

のいずれかの方法を取ることで、

1回の来日中に両方の活動を行うことが可能になります。

 

ただし、「資格外活動許可」は日本に入国後でなければ申請できません。

よって、スケージュール的に、

先にワークショップが開催されて、ショーは最終日!という場合は、

「芸術ビザ」で来日して、来日後すぐに「興行」の資格外活動許可を取得するのが妥当でしょう。

 

 

 

就労ビザに関するご相談は、“就労ビザ.com”まで!

今すぐにご相談したい方は、こちらからご予約ください。

※”就労ビザ.com”は鴻富行政書士法人が運営するサイトです。

これがダメなら、次はこれ…で通用する?

  • 2018.02.20 Tuesday
  • 16:02

 

これがダメなら、次はこれで…

何のことかというと、もちろんビザのことですが、

例えば、「留学ビザ」を申請して不許可になったので、今度は「家族滞在ビザ」を申請してみよう、

とか、

「技術・人文知識・国際業務ビザ」を申請して不許可になったので、今度は「経営・管理ビザ」を申請してみよう、

などのように、

一つのビザが不許可となったから、今度は違うビザで申請してみよう、という方はいらっしゃいます。

果たして、申請するビザの種類を変えたら、許可となるのか?!について、

今回はお話します。

 

結論から言うと、これは、当然のことですが、

“不許可となったビザ”の“不許可理由”に大きく左右されます

 

例えば、「留学ビザ」が不許可となった理由が日本語能力の不足で、

今度は「家族滞在ビザ」を申請する場合、

「家族滞在ビザ」には日本語能力は関係ないので、

他に問題がなければ、許可される可能性は大きいといえます。

 

ところが、

例えば、「技術・人文知識・国際業務ビザ」が不許可となった理由が、学歴を満たしていないという場合で、

今度は「経営・管理ビザ」を申請する場合、

「経営・管理」ビザには、特に学歴の要件はありませんが、

昨今の審査過程で学歴は大きく影響しているため、

他に問題がなくても、「経営・管理ビザ」を申請する動機や本人の経歴等によっては、マイナスに働き、

不許可となってしまうケースもあります。

 

さて、“不許可理由”に大きく左右されるとは言いましたが、

どのような申請においても、非常に重要なのが、

過去に何らかのビザを申請したことがあり、それが不許可となった履歴がある場合、

例えそのビザの種類が今回申請しようとするビザとは何ら関係ないものに思えたとしても、

いつ、何のビザを申請して、どうして不許可になったのかを明確にする必要がある、

ということです。

 

当社で扱う案件やご相談を受ける件を見ても、

何らかの不許可歴がある方が、それを説明せずに、しれっと他のビザを申請したり、

または再度同じビザを申請したりする場合、

多くのケースで“不許可”となっているようです。

 

おそらく、

過去の事情についても説明できない“不誠実な人物”とみなされたり、

不許可となった理由が今回の申請に何らかの形で関係している可能性があるからだと考えられます。

 

なので、もし不名誉にも“不許可(不交付)”という結果を受け取った場合

きちんと入国管理局において理由を確認し、

次回の申請に備える必要があるわけです。

 

 

 

 

就労ビザに関するご相談は、“就労ビザ.com”まで!

今すぐにご相談したい方は、こちらからご予約ください。

※”就労ビザ.com”は鴻富行政書士法人が運営するサイトです。

 

あの人気ラーメン店が、不法に外国人を雇用?!

  • 2017.11.30 Thursday
  • 13:16

国内外で人気の有名ラーメン店が、外国人が不法に働いていたとして、家宅捜索をされました。

記事によると、就労開始当時は、「留学ビザ」の「資格外活動許可」を取得して就労を開始していたものの、学校を除籍された後もそのまま引き続き就労していた、というものです。

 

更に、店側は、外交人雇用の際に義務となっている外国人の名簿を提出していないため、外国人雇用に関する法律違反の疑いもあるとのことです。(※注1)

 

--------------------------

※注1 

外国人労働者の雇用については、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」に定められています。

外国人を雇用する事業主は、ハローワークへ必要事項を届け出る義務があり(雇用対策法第28条)、これは、雇用保険の対象とならない(アルバイト等の)外国人についても、届出の義務があります

これに違反した(届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合)は、30万円以下の罰金の対象となります。

詳細は、厚生労働省のHPをご確認ください。

---------------------------

 

ここで、外国人の雇用について改めて解説します。

 

外国人が日本で就労するためには、「就労ビザ」が必要ですが、「留学ビザ」や「家族滞在ビザ」でも、「資格外活動許可」を取得すれば、就労時間の制限はありますが、就労を行うことができます。

今回は、「留学ビザ」を持った留学生が、「資格外活動許可」の範囲内で就労をしていたところ、その資格が喪失した後も引き続き就労していたため、問題になったわけです。

 

よく勘違いされているのですが、

「留学ビザ」で「資格外活動許可」を取得している場合、学校を卒業・退学しても、引き続きアルバイトを継続しているケースですが多くみられますが、これは間違いです!

「資格外活動許可」は、あくまでも“資格外”なわけで、本来の資格(今回のケースでは「留学ビザ」)の活動を行わなくなった時点で、この「資格外活動許可」の有効性も喪失します

 

例えば、「留学ビザ」の期限が2018年3月31日、「資格外活動許可」の期限も2018年3月31日だとします。

卒業した日(一般的には卒業式の日)が2018年3月20日付の場合、「資格外活動許可」も同日までとなるため、翌日以降はアルバイトができません

また、2017年5月31日に退学した場合、2017年6月1日以降、アルバイトを継続することはできません!

 

アルバイトをする外国人はこれをきちんと認識しておかないと、後々自分のビザの変更や更新に悪影響を与えることとなります。

 

そして、雇用側もこれをきちんと認識しておく必要があります。

雇用時は、アルバイトができることをきちんと確認するでしょう。

しかし、本人の都合で退学していたりすると、場合によっては会社にばれないからと、そのままアルバイトを継続する人もいるかもしれません。

しかし、その場合、例え雇用側の故意ではないとしても、結果的には雇用側の過失として、今回のケースのように警察が家宅捜索に入る…ということも大いにありうるわけです。

そして、雇用側が働いてはいけない外国人を不法に就労させていたことが認められると、相応の刑を受けることになってしまうばかりか、イメージダウンも甚だしいこととなってしまいます。

 

雇用主側に課される外国人管理には、十分に気を付けましょう。

 

 

 

 

就労ビザに関するご相談は、“就労ビザ.com”まで!

今すぐにご相談したい方は、こちらからご予約ください。

※”就労ビザ.com”は鴻富行政書士法人が運営するサイトです。