入国前の結核検査の義務化について

  • 2019.01.22 Tuesday
  • 13:25

日本における結核による死亡者数は、1947年をピークに減少してきましたが、

現在でも毎年18,000人前後の人が発症し、2,000人前後の方が結核で亡くなっています。

これは、先進諸国の中でも高い数字(欧米先進諸国の3倍以上)となっており、近年は外国からの感染数の増加も指摘されています。

 

そもそも、結核罹患者は「出入国管理及び難民認定法」(通称、入管法)により、上陸拒否事由とされていますが、(入管法第5条第1項第1号)

入国において、結核に罹患していないことを証明する資料の提出は求められていないため、自覚症状がない場合、上陸できてしまっているのが現状です。

 

そこで、厚生労働省は2018226日、

外国からの入国者への結核対策を強化する目的で、

90日以上の期間日本に滞在する予定の訪日外国人に対し、

ビザ申請時に「結核非罹患証明」か「結核感染性消失・治癒証明」の提出を求め、感染の拡大を防ぐ方針を提案していました。

(ちなみに、主要先進国の多くは、結核の高蔓延国からの入国等に対して何らか入国前のスクリーニングを実施しています。)

 

そして、いよいよ今年から始まる、外国人材の受入れ拡大に関連して、

日本政府は、日本の長期滞在を予定する外国人に対し、入国前に指定病院で検査を受けることを義務付ける取り組みを始めるとのことです。

 

この検査の対象となる国は、

留学や技能実習制度による入国者が多く、外国生まれの新規患者数の約8割を占める、

フィリピン、中国、ベトナム、ネパール、インドネシア、ミャンマー

6か国となっています。

状況によって、今後対象国が増えていく可能性もあります。

 

対象となった国の訪日外国人の方のうち、90日以上の長期滞在を予定する場合

ビザ発給の要件として、「結核非罹患証明」「結核治癒証明書」の提出が求められるようになるため、

指定病院において検査を実施し、上記証明書発行してもらう必要がでてきます。

 

今後、相手国との調整を進めて、2019年度中にも実施する方針とのことですので、

動向を注視する必要がありそうです。

 

 

 

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【改正入管法】特定技能に関する政省令の骨子

  • 2019.01.21 Monday
  • 12:26


 

昨年(2018年)12月28日付けで、新たな外国人材受入れに関する政省令(案)の概要について、パブリックコメントが掲載されました。

意見公募の締め切りは1月26日です。

その後正式に成立し、4月1日に施行される見込みです。

 

これで、「特定技能」に係る新制度について、具体的な中身に関する情報がほぼ出そろった形になります。

新制度開始に伴い、既存の2法務省令(入管法施行規則、上陸基準省令)に加え、新たに2つの省令が設けられます

以下にそれぞれの概要をご紹介します。

 


 

1、新たに設ける省令(2省令)

 

〃戚鵝ぜ入れ機関,支援計画等の基準に関する省令 

 ・受入れ機関が外国人と結ぶ契約が満たすべき基準

 ・受入れ機関が満たすべき基準

 ・支援計画が満たすべき基準等

 

∧野,技能水準に関する省令

 ・受入れ対象分野,技能水準

 


 

2、既存の省令の改正(2省令)

 

‐緡Υ霆狆蔑

 ・外国人本人に関する基準

 

⊇估国管理及び難民認定法施行規則

 ・受入れ機関の届出事項・手続等 

 ・登録支援機関の登録に関する規定等 

 ・その他(在留期間等)

 


 

上記のうち、実務上特に重要と思われるのが新たに設けられる省令のうち「〃戚鵝ぜ入れ機関,支援計画等の基準に関する省令 」です。

具体的には、雇用契約の内容について、報酬額が日本人と同等以上であること、帰国旅費を受入れ機関が負担すべき場合があること等が列挙されています。あわせて、受入れ機関が満たすべき基準(たとえば、労働関係法令を遵守していること、悪質な紹介業者が介在していないこと、給与は預金口座へ振り込みにより行うこと等)が事細かに定められています。

 

新たなビザの運用のために、法務省令が2つも新設されるというのは珍しいケースです。

しかも、新たに盛り込まれる規定の内容もかなりのボリュームがあります。

それだけ、大型の法改正であることがうかがえます。

 

国会での審議過程においては白紙委任法案と揶揄された改正入管法ですが、実質的なコンテンツである省令の正確な理解が実務におけるひとつの山場となりそうです。

 

 

 

 

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★最新★改正入管法が成立(2019年4月1日施行)

  • 2018.12.21 Friday
  • 11:00

 

ニュースでも多く取り上げられていましたので、既にご存知の方も多いかと思いますが、12月8日未明に、外国人労働者の受け入れ拡大に向けて在留資格を創設する、”改正出入国管理法(入管法)”が参議院で可決、成立しました。人材確保が困難な産業分野で外国人労働者の受け入れを広げるのが狙いで、来年の2019年4月1日には施行されることが決まっています。

 

改正法は『特定技能1号』『特定技能2号』の在留資格新設が柱で、現在、建設や介護などの下記14業種での受け入れが対象となっています。なお、具体的な受け入れ分野については、省令などで定めるとしているため、今後は更にその範囲が拡大する可能性も考えられます。

また、『特定技能1号』と『特定技能2号』は2段階構成となっており、現時点で想定されている特定技能制度をまとめると、以下のようになります。

ここで『技能実習』とは、外国人技能実習生が日本において出身国で修得が困難な技能等の修得・習熟・熟達を図るのが目的で創設された既存の在留資格で、現在1〜3号まで設けられています。1〜2号で最長3年間1〜3号で最長5年間、日本で活動を行うことができます。

 

特定技能1号は、一定の能力が認められる外国人労働者に対して付与されることになりますが、上記のとおり、その一定の技能や日本語試験に合格すること以外にも、技能実習制度において3年間の技能実習を終えた『技能実習2号』から特定技能1号へ移行できる構図にもなっており、実際のところ、かなりの割合で『技能実習2号』からの移行(事実上の延長)が行われると見られています。なお、宿泊や外食については、技能実習制度で対象職種に入っていないため、前記の試験に合格するしかありません。在留期間は最長5年ですが、『技能実習』と同じく家族の帯同はできません。

 

特定技能2号は、『特定技能1号』で熟練した技能が認められた場合に付与され、他の就労資格と同様に在留期間更新許可申請が可能になり、家族を呼び寄せることもできるようになります。

 

以上のように、『技能実習』の上限は1〜3号で通算5年、特定技能1号の上限は5年なので、来年以降、外国人労働者は最長10年間の滞在が可能になり、更に、特定技能2号へ格上げされれば、在留期間の上限がなくなるため、更新が認められる限り、事実上、日本での永住への道も開かれることになります。政府は当初より今般の改正は”移民政策とは異なる”として繰り返し主張していますが、上記のとおり、長期在留や家族の帯同が認められる特定技能2号については、与党内でも”事実上の移民政策につながる”との警戒感も残っているようです。政府は初年度に最大約4.7万人、5年間で最大約34.5万人の受け入れを見込んでいます。私たちは今後日本で外国人の方と上手く共存していくため、多くの課題に向き合っていかなければならないかもしれないですね。

 

 

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